2019/8/27 バンシンプロ

2019/8/27 バンシンプロ

【162】 ♦優れている利点  「バンシンプロ」を用いた症例をもとに1年間の使用感を述べさせていただきます。最近は「お灸ブーム」で温熱刺激も需要があります。お灸の仕方、治療の仕方も様々ではございますが、わたくしが灸治療として用いているのは「多壮灸」という手技になります。  治療穴が決まれば、例えば合谷穴を選穴した場合、合谷に半米粒大のお灸を交互にすえていきます。壮数は、奇数がいいとされていますが「多壮灸」の壮数の基準は「左右の熱さ」が基準になります。悪い経穴というのは左右の偏りがあり、また慢性化した経穴、いわゆる虚の穴にたいしては熱さをあまり感じないという見解をもとに左右交互にお灸をしていき、左右差が整うまでお灸をしていきます。患者さんの自覚で左右の熱さが同じになれば、治療は終了になります。 この多壮灸の治療法に「バンシンプロ」が向いていると思ったのは、手でひねるお灸に比べ「暑さが一定」しているため、左右差を正確に測るにはとても良い商品だと思います。わたくしの患者で、82歳の心筋梗塞を65歳で発症し3分の1の心筋が壊死している患者さんに、心臓発作の前兆、息苦しさや動悸などがあるときに「陽池」の多壮灸をしていました。あまり程度が悪くない場合は7壮から15壮の間で熱さは同じになりますが、調子が悪い場合は50壮を超える場合があります。こういった時に術者の負担が少なく、かつミスなく同じ温度設定ができる「バンシンプロ」は優れものでした。  また「逆子」に対しても「バンシンプロ」を使用させていただきました。逆子に対しても同じ「多壮灸」で熱さの左右差が整うまで行うか、お腹に反応が出るまでやります。  わたくしの治療院では、予約制でもなく1対1で治療するのではなく来院された順に治療していくので時には同時に7人以上治療することもあります。置鍼治療が中心で鍼治療が95%以上を占めているのですがどうしてもお灸が必要となる患者さんの場合、お灸はすえている間は時間を取られてしまいます。もぐさを使用すると他の患者さんの鍼を抜きにいかないといけない場合、「いったん線香の火を消してから、また戻って線香をつけなおすなどの無駄な時間ができてしまいます。その点「バンシンプロ」はそのまま持ち歩くこともできるのでやりやすかったです。  もぐさをひねった時の灸治療と、バンシンでの温熱刺激での効果の違いについて1年間検証してきました。脈の変化やその後の効果など、データはありませんがさほど大差はないというのが実感です。まとめますと以下が挙げられます。
♦メリット ①「多壮灸」治療などの患者自覚での熱さの左右差を指標にする場合、一定温度で施術できる「バンシン」は優れている。また温度調整も可能であるということ。 ②お灸施術は1人の患者に時間をとられてしまう場面でも「バンシン」では施術を途中でもやめやすい場面ができるということ。 ♦困った点 「バンシン」はやはり機械なので、不具合を起こしスイッチがつかない場面があったこと、また充電のため、充電されているか不安なため、毎回使用後は充電することにしていましたが、電池の出し入れを頻繁に行った為、1年で故障することになってしまいました。

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