2009年全日本鍼灸学会発表

2009年全日本鍼灸学会発表

上腕二頭筋の遅発性筋痛(DOMS) に対するBANSHIN刺激の鎮痛効果に関する研究

篠原昭二1)、角谷和幸2)、和辻直1)、水沼国男1)、渡辺勝之1)、小田原良誠2)

1) 明治国際医療大学伝統鍼灸学教室

2) 明治国際医療大学保健医療学部

【はじめに】実験的に作成した上腕二頭筋のDOMSに対して、疼痛部位と関連する末梢の
榮穴の圧痛点への刺激が鎮痛効果発現に対して有効かどうか検酎した。なお、学内倫理委
員会の承認を得て実施した。【方法】対象:日常的に運動習慣のない男子学生ボランティア
21例を対象とした。刺激グループ:上腕二頭筋のDOMSは、手太陰経筋病であることから、
疼痛部位と関連する末梢の榮穴の魚際穴の圧痛点に刺激した圧痛点刺激群、魚際穴近傍(圧
痛点から2cm以内)の非圧痛点刺激群、疼痛部位とは関連しない小腸経の前谷穴に刺激
した群の3群を設定し、乱数表を用いて無作為に割りつけた。
痛みの評価:筋痛の評価は、運動負荷24時間後に肘関節を軽く屈伸動作を行い、その時
に自覚される上腕部の痛みの程度を、10cmの横線を引いたVAS法にて左端は無痛、右
端は想像しうる最大の痛みとして評価し、BANSHIN刺激前後においで治療者とは独
立した評価者によって確認した。また、刺激前後においてプッシュプルゲージを用いて上
腕二頭筋上の圧痛閾値および筋肉の硬さをPEK-1を用いて測定した。統計処理は分散
分析の後、多重比較検定を行った。【結果及び考察】3群間において刺激前後でそれぞれ自
覚的な痛みの程度は減少傾向を示すが、魚際穴圧痛点刺激による鎮痛効果が最も顕著であ
った。刺激前後の変動幅を見ると、圧痛あり群は7例中6例であり圧痛無し群および前谷
刺激では7例中4例であった。筋の硬さに対してはほとんど3群間で変化は見られなかっ
た。一方、圧痛閾値については魚際穴圧痛点刺激群において閾値の上昇傾向を示したが、
有意差は見られなかった。【結語】上腕二頭筋の遅発性筋痛に対して魚際穴の圧痛部への刺
激が最も鎮痛効果が優れていることが判った。

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